ガラスの歴史は非常に古く、石器時代(200万年前~紀元前1万年前)から天然ガラスを活用していたとされています。
人の手によって製造されたガラスは紀元前4,000年前と言われていて現代もスマートフォンやテレビの液晶ガラスなど様々な形に変えながら進化を遂げています。
ガラスの主要な歴史を時系列にまとめました。
ガラス歴史の時系列
- 石器時代
黒曜石(火山から噴き出した溶岩がガラス状に固まったもの)を石包丁や矢じりとして利用
- 紀元前4000年
エジプトのメソポタミア文明において二酸化ケイ素(シリカ)の表面を融かして作製したビーズの製造
- 紀元前2000年代
焼結ではなく溶融によるガラスの加工を行う
- 紀元前1500年ごろ
エジプトで最初のガラス器が作られ、型に流し込んで器を作るコア法は西アジアに広がっていく
- 紀元前100年ころ
現代のガラス細工でも基本製法として活用される宙吹き製造法が発明される
- 5世紀ころ
板ガラスの製造を発明される
- 12世紀ころ
教会でステンドグラスを使われるようになる
- 13世紀ころ
無色透明なガラスが発明される
- 1700年代前半
徳川吉宗が書物の輸入解禁によって江戸切子などを作る
- 1856年
蓄熱式槽窯による製造で溶融ガラスの大量供給を可能にする
価格低下によって瓶や窓にもガラスを使われるようになる
- 1903年
板ガラス製造用の自動ガラス吹き機が登場し世界へ普及する
後に機械による引き上げ式に進化
- 1950年代
フロートガラスが発明され、現在使われている板ガラスの基本製法が完成し、ガラスは安価で庶民のものへと普及する
ポイントのおさらい
世界では5世紀ころから板ガラスを作られていましたが、日本のガラス産業は衰退していて、徳川吉宗の時代の書物輸入解禁によって普及します。
ガラスが庶民のものになったのは1950年代からで意外と歴史は浅いです。太平洋戦争をテーマにした映画などを見ると、戦闘機にはガラスを使われていますが、民家は板戸が主流で高級品だったことが伺えます。
戦後を題材にした映画やドラマでは、徐々にガラスのある町並みが描かれるようになります。
ガラスは進化を続けている
身近なものではスマートフォンに強度の高いサファイアガラスを採用するか?といったニュースをよく見かけます。
先進のガラスといえば液晶関係によく活用されていますが、通常の窓ガラスも摂氏10000度のプラズマで原料を一瞬にして溶かす新製法の開発が進んでいます。
もし新しい製法が完成して普及すればガラスの価格はさらに安価になって製造時の環境対策にも寄与すると言われています。