ガラスは家や車の窓、スマートフォンの液晶など身近なものですが、割れるリスクもあります。
ガラスは衝撃を受けた場所から割れると思われがちですが、一般的な割れやすいガラスの場合は、元々付いている目に見えないような小さい傷に力が加わって傷が開いて割れます。
新品のガラスでも製造段階で傷は無数についています。
ガラスによって強度の違う理由
ガラスには石を投げると簡単に割れるものと、ちょっとの衝撃では割れない強化ガラスがあります。
強いものは銃弾も受け止められる耐久性(ガラスは一部割れます)を持っているものもあります。
強化ガラスにはいくつかの種類があります。
網目状に鉄線が入っているものは強度が高いことを想像できますが、無色透明なガラスの場合は製造工程で一気に急速冷却することで衝撃時に小キズが広がりにくい構造にしています。
もう少し分かりやすく例えると、強化ガラスは粘り気があって衝撃を受けても力を逃がす力を持っています。
プラスチックが割れにくいのは、ガラスよりも粘度が大きいからです。
また、厚みによっても強度は変わってきます,。
オフィスビルに使われる壁一面にある大きなガラスは厚みが大きく粘度も持たせているので割れにくいです。
ただし強度のある分、価格も高度になります。
防犯ガラスや車のフロントガラスは合わせガラスを使っている
車の場合、サイドガラスは強化ガラスを使っていますが、フロントガラスは通常のガラスを2枚合わせたものを使っています。
法律でもフロントガラスは合わせガラスにするように義務付けられていて、2枚のガラスの間に特殊素材を入れることで、ガラスは割れても飛散しないようになってドライバーを保護します。
住宅用の防犯ガラスも同じ構造の合わせガラスを使っていて、ガラスは割れてもヒビしか入りません。
大きな衝撃になるとクモの巣のように細かいヒビが広がっていきます。
ガラスは温度差でも割れる
ガラスの割れる原因は衝撃だけではなく温度差でも割れます。
ガラスに限らず物質は温めると体積は大きくなり、冷やすと小さくなります。
普段使用するガラスはある程度の温度には耐えられる構造になっていますが、いきなり冷やしたり熱すると一気に形状変化して割れてしまいます。
さらにガラスは熱伝導率の低い特性もあります。
例えば真夏の太陽の光でガラスが熱くなっているところに、冷水で冷やすと表面は冷えますがサッシの内側に入っているところは熱いままです。
急激な温度差に加えてガラスの部位に応じて縮もうとしているところと広がろうとしているところが発生して、最後はガラスが耐えられなくなって割れてしまいます。
冬に車のガラスが凍結しているときに熱湯をかけると割れてしまうのも同じ原理で、部分的に温まってしまうからです。
もともとガラスは陶器やプラスチックなど他の物質に比べて強度が弱い上に熱伝導率の低い特性もあるので、温度差によって割れやすくなっています。