「ガラス修理業者」と聞くと自宅の窓ガラスを連想しますが、私がガラス修理業者を利用したのは一斗缶程度の大きさの人形ケースが割れた時でした。
ただの人形ケースではありません、私が誕生したお祝いと記念に今は亡き祖父母が購入してくれた大切な宝物です。中には職人によって丹精込めて作られた可愛らしい日本人形が鎮座して、ずっと私の人生を見守ってくれている守護神だと思える逸品です。
人形に傷はつきませんでしたが、不注意でケースが割れた瞬間は思わず涙が出ました。
生涯大切にしたい大切なものなので、市販のケースに入れ替える事は嫌で、ガラス修理業者に事情を説明し、何とか元通りに近い形に復元出来ないか頼みました。
事情を聞いて、中の人形を守る事が最優先なので、何か柔らかい布で覆っておくよう指示された時、このガラス修理業者は信頼出来るなと確信しました。
その人形ケースは木枠が特徴的で、この木枠も職人の手によって造られた一点物です。
ガラス部分には特に何の装飾も色もついていないのですが、出来ればこの木枠も一緒に復元してもらえないかという私の無理なお願いも気持ち良く聞いて頂き、手元に綺麗になって戻って来たケースを見て感無量でした。
費用は全てオリジナルなので2万5千円掛かりましたが、私にとって修理してもらう事自体に価値があったので、今回費用は全く気になりませんでした。
逆にこんな細かい物にまで細心の注意を払って作業して頂けた事に感謝してもしきれません。
修理には約3週間掛かりましたが、これは生活必需品で無く、全く急がないとこちらから申し出ていた為で、速さより正確に丁寧にお願いします、と依頼したからです。
こちらとしては1ケ月以内に戻ってくればいいなと考えていたので、想像より早い完成に少し驚いたくらいです。
確かに中の人形だけを新しいケースに入れ替える事でかなり格安になったでしょう。
それでも、私はプロの仕事をしてくれたガラス修理業者に頼んで良かったと思っています。
木枠も上手に再利用してくれました。
しかも、少し傷んでいた箇所を自然に修復してもらい、実に心のこもった修理を施して頂いたものだと感心しました。
一部どうしても新しいガラスに密着出来ない箇所があり、その1か所だけ新しい金具に変更したという報告まで丁寧にしてくれました。
やはりプロです。
素人細工とは訳が違う、レベルも仕上がりの満足度も全く違う、ガラス修理業者はプロの仕事人です。